2025年7月27日、さいたまスーパーアリーナで開催された「超RIZIN.4」で朝倉未来(33)がクレベル・コイケとの4年越しのリベンジマッチに勝利した。スプリット判定(2-1)での勝利を収めた朝倉は、試合後のマイクパフォーマンスで意外な名前を口にした。「偽装怪我の奴はどこだ?列に並び直せ」――平本蓮(26)への明確な挑発だった。
4年越しのリベンジ成功で見せた朝倉の復活
クレベル・コイケ戦は、朝倉にとって2021年の大晦日以来の因縁の対決だった。前回は三角絞めで敗北を喫しており、この敗戦は朝倉のキャリアにとって大きな痛手となっていた。
今回の試合では、朝倉は慎重な戦略を採用。クレベルの得意とする寝技に持ち込まれる場面もあったが、的確なディフェンスと上からの打撃で優位に立った。特に第2ラウンドと第3ラウンドでは、トップポジションからのエルボーが効果的に決まり、会場からは「ミクルコール」が沸き起こった。
ラウンド | 展開 | 優勢 |
---|---|---|
第1ラウンド | 朝倉がプレッシャー、クレベルがテイクダウン狙い | 互角 |
第2ラウンド | クレベルがコーナーに押し込むも朝倉が上を取る | 朝倉 |
第3ラウンド | クレベルのガードポジションから朝倉が打撃 | 朝倉 |
平本蓮への挑発で再燃する因縁
試合後、朝倉が真っ先に言及したのが平本蓮だった。2024年7月28日の「超RIZIN.3」で朝倉は平本に1ラウンドTKO負けを喫し、その後引退を宣言していた。しかし、2025年5月4日に予定されていた東京ドームでのリマッチは、平本の肩の負傷により中止となっていた。
「偽装怪我」という朝倉の表現は、単なる挑発以上の意味を持つ可能性がある。格闘技界では、怪我による欠場は選手生命に関わる重要な決断だ。朝倉のこの発言は、平本に対して「早く復帰して決着をつけよう」というプレッシャーをかける心理戦の一環とも解釈できる。実際、平本は負傷後もSNSで積極的に発信を続けており、その行動に対して疑問の声も上がっていた。
世代交代の象徴としての対立構造
朝倉(33歳)と平本(26歳)の7歳差は、日本格闘技界における世代交代の縮図でもある。朝倉が築いてきた「YouTuber格闘家」というビジネスモデルを、平本が新しい形で継承し、さらに発展させようとしている。この対立は、単なる個人間の因縁を超えて、日本格闘技界の未来を占う重要な戦いとなっている。
平本蓮のSNSでの挑発の歴史
- 2025年3月9日:「今考えても朝倉未来は本当に弱かった」とX(旧Twitter)に投稿
- 「誰でもいいから朝倉未来と戦うことをおすすめする。お金も稼げるし有名にもなれる」と挑発
- 「今のゲームのゴア・マガラの方がよっぽど強い」と揶揄
格闘技ファンの反応は賛否両論
朝倉の平本への挑発に対して、格闘技ファンの反応は大きく分かれている。
支持派の意見
- 「朝倉が復活してくれて嬉しい。平本との再戦が実現すれば盛り上がる」
- 「平本の挑発に対する返しとしては当然。格闘技はこういうドラマがあってこそ」
- 「クレベルに勝った今の朝倉なら平本にもリベンジできるはず」
批判派の意見
- 「怪我をした選手を偽装呼ばわりするのは良くない」
- 「勝った相手(クレベル)より負けた相手(平本)の話をするのは格好悪い」
- 「平本の挑発に乗るのではなく、もっと上を目指すべき」
東京ドームでの再戦実現の可能性
朝倉と平本の再戦については、RIZINの榊原信行CEOも前向きな姿勢を見せている。両者の初戦は大きな話題を呼び、PPV売上も好調だったことから、ビジネス的にも魅力的なカードとなっている。
平本の肩の回復状況にもよるが、早ければ2025年末の大晦日大会、遅くとも2026年前半には実現する可能性が高い。特に東京ドームでの開催となれば、日本格闘技界にとって歴史的なイベントとなるだろう。
朝倉未来の今後の展望
クレベルへのリベンジを果たした朝倉は、完全復活を印象づけた。試合後のインタビューでは、平本以外にもケラモフへの挑戦意欲も示しており、今後の動向が注目される。
朝倉の今後の対戦候補
- 平本蓮:因縁のリマッチ、最も注目度が高い
- ケラモフ:ベラトール王者への挑戦で世界進出
- 斎藤裕:日本人トップ選手同士の対決
- 久保優太:K-1王者との立ち技対決
日本格闘技界への影響
朝倉と平本の因縁は、日本格闘技界にとって重要な意味を持っている。両者の対立構造は、新たなファン層の獲得にも貢献しており、格闘技人気の復活に一役買っている。
特に若い世代にとって、朝倉と平本は格闘技の入り口となっており、YouTubeやSNSを通じて格闘技に興味を持つきっかけとなっている。この流れは、日本格闘技界全体の活性化につながっている。
経済的インパクトの大きさ
朝倉vs平本戦は、RIZINにとって最大級の収益をもたらすカードの一つだ。前回の対戦時のPPV売上は過去最高クラスを記録し、スポンサー収入も大幅に増加した。両者の再戦が実現すれば、東京ドームという会場規模も相まって、日本格闘技史上最大級の経済効果が期待される。
また、両者のYouTubeチャンネルの総登録者数は合計で500万人を超えており、そのメディア価値は計り知れない。この数字は、従来の格闘技ファンだけでなく、新しい層を巻き込んでいることを示している。
まとめ:再燃する因縁が生む新たなドラマ
朝倉未来のクレベル・コイケへのリベンジ成功は、単なる一勝以上の意味を持っている。それは朝倉の完全復活を示すと同時に、平本蓮との因縁を再燃させる起爆剤となった。
「偽装怪我」発言の真意はともかく、朝倉が平本との再戦を強く望んでいることは明らかだ。一方の平本も、SNSでの挑発を続けており、両者の対立はさらに深まっている。
格闘技ファンにとって、この因縁の行方は目が離せない。リング上での決着がつくまで、両者の駆け引きは続くだろう。そして、その先に待っているのは、日本格闘技史に残る大一番となるはずだ。
朝倉未来は復活した。次は平本蓮との決着をつける番だ。日本格闘技界の未来を賭けた戦いが、今まさに始まろうとしている。