健康保険証、今月末で使えなくなる?知らないと損する重要な期限と対処法
2025年7月末、日本の医療制度に大きな転換点が訪れます。従来の健康保険証の有効期限がついに終了し、マイナンバーカードへの完全移行期限を迎えるのです。この重要な期限について、まだ対応していない方も多いのではないでしょうか。今回は、期限直前の今だからこそ知っておきたい重要な情報と、具体的な対処法について詳しく解説します。
目次
- 健康保険証廃止の背景と現状
- 2025年7月末までに必要な手続き
- マイナ保険証のメリット・デメリット
- マイナンバーカードを持たない人の対処法
- 医療機関での受診方法の変化
- よくある質問と回答
- 今すぐできる準備チェックリスト
健康保険証廃止の背景と現状
2024年12月2日から、新規の健康保険証の発行は停止されました。これは、日本政府が推進するデジタル化政策の一環として、医療分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるための施策です。
なぜ健康保険証が廃止されるのか
従来の紙やプラスチックカードの健康保険証には、いくつかの課題がありました:
課題 | 詳細 | マイナ保険証での解決策 |
---|---|---|
本人確認の困難さ | 写真がないため、なりすましのリスクがある | 顔認証による確実な本人確認 |
情報の更新遅延 | 転職や引越し時の手続きが煩雑 | リアルタイムでの情報更新 |
医療情報の断絶 | 過去の診療歴や薬歴が共有されない | 同意の上で医療情報を共有可能 |
事務負担 | 医療機関での確認作業に時間がかかる | システムによる自動確認 |
現在の移行状況
2025年7月現在、マイナ保険証への移行は着実に進んでいます。厚生労働省の最新データによると:
- 医療機関・薬局の96.4%がマイナ保険証に対応済み(2024年2月時点)
- マイナンバーカードの交付率は全国で約75%
- マイナ保険証の利用登録者は約6,000万人
しかし、まだ約25%の国民がマイナンバーカードを取得していない状況であり、7月末の期限を前に、駆け込みでの申請が急増しています。
2025年7月末までに必要な手続き
健康保険証の有効期限は、保険の種類によって異なります:
後期高齢者医療制度加入者(75歳以上)
期限:2025年7月31日
後期高齢者医療制度に加入している方は、今月末が期限となります。特に高齢者の方は、以下の点に注意が必要です:
- マイナンバーカードの申請から受け取りまでに約1ヶ月かかる
- 顔写真の撮影が必要(自宅での撮影も可能)
- 暗証番号の設定が必要(4桁の数字)
その他の健康保険加入者
期限:2025年12月1日
国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合などに加入している方は、12月1日まで猶予があります。ただし、早めの対応をお勧めします。
手続きの流れ
マイナンバーカードをまだ取得していない方の手続き手順:
- 申請書の入手
- 市区町村役場で入手
- マイナンバー総合サイトからダウンロード
- コンビニのマルチコピー機でも入手可能
- 写真の準備
- 縦4.5cm×横3.5cm
- 最近6ヶ月以内に撮影
- 正面、無帽、無背景
- 申請方法の選択
- オンライン申請(スマートフォン可)
- 郵送申請
- まちなかの証明写真機から申請
- 交付通知書の受け取り
- 申請から約1ヶ月後に自宅に届く
- カードの受け取り
- 市区町村役場で本人が受け取り
- 本人確認書類が必要
マイナ保険証のメリット・デメリット
メリット
メリット | 具体的な内容 |
---|---|
医療費の節約 | 初診時の診療報酬が安くなる(最大18円の差) |
薬の重複防止 | 他の医療機関での処方歴を確認できる |
健診結果の共有 | 過去の健診データを医師と共有可能 |
限度額認定の自動化 | 高額療養費の手続きが不要に |
確定申告の簡素化 | 医療費控除の計算が自動化 |
デメリット・注意点
- カードの管理:紛失時のリスクが高い
- 暗証番号の管理:忘れると再設定が必要
- システム障害:稀にシステムダウンで使えない場合がある
- プライバシーの懸念:医療情報の一元管理への不安
マイナンバーカードを持たない人の対処法
マイナンバーカードを取得できない、または取得を希望しない方も、医療を受ける権利は保障されています。そのような方には「資格確認書」が交付されます。
資格確認書とは
資格確認書は、マイナンバーカードを持たない方でも医療機関を受診できるようにするための書類です。
- 自動発行:申請不要で自動的に送付される
- 無料:発行手数料はかからない
- 有効期限:原則1年間(更新可能)
- 使い方:従来の健康保険証と同様に提示
資格確認書の対象者
- マイナンバーカードを取得していない人
- マイナンバーカードを紛失した人
- マイナンバーカードの更新手続き中の人
- その他、やむを得ない理由でマイナ保険証を利用できない人
医療機関での受診方法の変化
マイナ保険証の導入により、医療機関での受診方法も変わります。
受付での流れ
- カードリーダーにマイナンバーカードを置く
- 顔認証または暗証番号で本人確認
- 保険資格の確認完了
- 診察券を受け取り待合室へ
初めての利用時の注意点
- 初回は「マイナ保険証利用登録」が必要(約1分)
- 医療情報の提供に関する同意確認がある
- 暗証番号を3回間違えるとロックされる
医療機関側の対応
2025年7月現在、ほとんどの医療機関がマイナ保険証に対応していますが、一部の小規模診療所では対応が遅れている場合があります。事前に確認することをお勧めします。
よくある質問と回答
Q1: 7月31日を過ぎたら、本当に従来の保険証は使えなくなるの?
A: 後期高齢者医療制度の加入者は7月31日、その他の方は12月1日が期限です。期限後は使用できなくなりますが、資格確認書が自動的に送付されるため、医療を受けられなくなることはありません。
Q2: マイナンバーカードを忘れた場合はどうなる?
A: 保険資格の確認ができれば受診可能です。ただし、窓口での自己負担割合が高くなる可能性があります。後日、領収書を持参して払い戻しを受けることができます。
Q3: 子どものマイナンバーカードも必要?
A: はい、年齢に関係なく必要です。15歳未満の場合は、親権者が代理で申請できます。顔認証が難しい乳幼児の場合は、暗証番号での確認となります。
Q4: マイナ保険証の情報はどこまで見られる?
A: 医療機関が閲覧できるのは、本人の同意を得た範囲の情報のみです。具体的には:
- 処方された薬の情報(過去3年分)
- 特定健診の結果(過去5年分)
- 診療情報(レセプト情報)
Q5: セキュリティは大丈夫?
A: マイナンバーカードのICチップには、税や年金などの情報は記録されていません。医療情報も暗号化されており、専用の機器でしか読み取れません。
今すぐできる準備チェックリスト
7月末の期限に向けて、以下のチェックリストで準備状況を確認しましょう:
後期高齢者医療制度加入者(75歳以上)- 今月中に対応必須
- □ マイナンバーカードを持っている
- □ マイナ保険証の利用登録済み
- □ 暗証番号を覚えている
- □ カードの有効期限を確認済み
- □ マイナンバーカードを持っていない
- □ 資格確認書の到着を待つ
- □ または今すぐマイナンバーカードを申請
その他の保険加入者 – 12月までに準備
- □ マイナンバーカードの申請状況確認
- □ 家族全員分のカード準備
- □ かかりつけ医のマイナ保険証対応確認
- □ 暗証番号の管理方法決定
トラブル時の連絡先
相談内容 | 連絡先 | 受付時間 |
---|---|---|
マイナンバー総合フリーダイヤル | 0120-95-0178 | 平日9:30-20:00 土日祝9:30-17:30 |
マイナ保険証コールセンター | 0120-95-0178 | 同上 |
各健康保険組合 | 保険証に記載の番号 | 各組合による |
まとめ:今月中の対応が重要
2025年7月末の健康保険証廃止期限は、特に75歳以上の後期高齢者にとって重要な節目となります。マイナンバーカードへの移行は、医療のデジタル化による利便性向上を目指すものですが、一方で高齢者やデジタル機器に不慣れな方への配慮も必要です。
重要なポイントをもう一度整理すると:
- 後期高齢者は7月31日が期限 – 今すぐ行動が必要
- マイナンバーカードがなくても医療は受けられる – 資格確認書で対応可能
- 早めの準備で安心 – 申請から受け取りまで約1ヶ月必要
- 家族での確認を – 特に高齢の家族がいる場合は一緒に確認
この大きな制度変更は、日本の医療制度の転換点となります。不安や疑問がある場合は、遠慮なく相談窓口を利用し、スムーズな移行を実現しましょう。健康で安心な生活を続けるためにも、今月中の対応をお忘れなく。