初日公演でくまモンがサプライズ登場!会場が歓喜の渦に
RPGのような世界観で始まった「冒険の旅」
18時、熊本城ホールに響き渡るRPGを思わせるオープニングSE。赤・青・緑の照明が会場を駆け巡り、観客のボルテージは一気に最高潮へ。レーザーが激しく交錯する中、バンドメンバーが次々と登場し、コンポーザーのAyaseに続いてボーカルのikuraが姿を現すと、2,304席を埋め尽くした観客から割れんばかりの歓声が湧き起こった。
「熊本のみなさん、こんばんは!ついに始まりました、YOASOBI初のホールツアー!」
ikuraの第一声に、会場全体が温かい拍手で応えた。YOASOBIにとって熊本での公演は初めてだったが、まるで何度も訪れているかのような親密な空気感が会場を包み込んでいた。
地元の英雄・くまモンとの夢のコラボレーション
公演中盤、観客の誰もが予想していなかったサプライズが起こった。「今日は特別なゲストをお招きしています」というAyaseの言葉に続いて登場したのは、なんと熊本県PRマスコットキャラクターの「くまモン」だった。
黒いシルエットが現れた瞬間、会場は歓喜の声と笑い声で満たされた。くまモンは人気楽曲「ツバメ」で共演し、音楽に合わせて踊る姿に観客は大いに盛り上がった。SNSでは瞬く間に「#YOASOBIくまモン」がトレンド入りし、「まさかの組み合わせ」「可愛すぎて泣いた」といったコメントが殺到した。
ホール規模だからこそ実現できた「距離の近さ」
観客との一体感を生む新たな演出
これまでアリーナやフェスでの公演が中心だったYOASOBIにとって、ホールツアーは新たな挑戦だった。しかし、その規模感は逆に強みとなった。
「ホールって、みんなの顔がよく見えるんですね」とikuraが語りかけると、観客からは温かい反応が返ってきた。アリーナでは実現しにくい、観客一人ひとりとの距離の近さを活かした演出が随所に盛り込まれ、まさに「観客とともに作り上げるライブ」が実現していた。
特に印象的だったのは、新曲「Watch me\!」での演出だ。TVアニメ『ウィッチウォッチ』のオープニングテーマとなったこの楽曲では、観客全員でのコール&レスポンスが行われ、会場全体が一つになる瞬間が生まれた。
プレイステーション®コラボ曲「PLAYERS」も初披露
話題のプレイステーション®30周年記念プロジェクト「Project: MEMORY CARD」とのコラボ楽曲「PLAYERS」も、このツアーで初めてライブパフォーマンスされた。ゲームの世界観を表現した映像演出と共に披露されたこの楽曲は、観客を新たな冒険へと誘った。
街全体を巻き込んだ「WANPAKU MATSURI」の大成功
熊本の街がYOASOBI一色に
ライブ会場だけでなく、熊本の街全体がYOASOBIムードに包まれた。くまもと街なか広場(花畑広場)では、『YOASOBI HALL TOUR 2025 WANDARA ~WANPAKU MATSURI~』が開催され、地元の飲食店が出店する屋台村が登場した。
熊本名物の馬刺しや太平燕(タイピーエン)、からし蓮根などのご当地グルメを楽しめるブースには長蛇の列ができ、YOASOBIファンと地元住民が交流する貴重な機会となった。また、YOASOBIオリジナルのプリントシールやビッグガチャも大人気で、多くのファンが記念品を手に入れようと賑わった。
パブリックビューイングで感動を共有
初日と最終日には、街なか広場でパブリックビューイングも実施された。チケットを入手できなかったファンや、地元住民も無料で楽しめるこの企画には、延べ5,000人以上が参加。大型スクリーンで映し出されるライブ映像に合わせて、広場全体が一つのライブ会場のような熱気に包まれた。
地方経済に与えた驚きの波及効果
ホテル稼働率90%超え、飲食店売上3倍増
YOASOBIの熊本公演は、地域経済に大きなインパクトをもたらした。熊本市観光協会によると、公演期間中の市内主要ホテルの稼働率は平均90%を超え、通常の週末と比較して約30%上昇。特に熊本城周辺のホテルは4日間すべて満室となった。
また、熊本城ホール周辺の飲食店では、通常の週末と比較して売上が平均3倍に増加。ある居酒屋のオーナーは「YOASOBIファンの方々が全国から来てくれて、熊本の郷土料理を楽しんでいただけた。こんなに賑わったのは久しぶり」と語った。
経済効果は推定で約5億円にのぼり、アリーナツアーより収益性が低いとされるホールツアーでも、地域経済への貢献度は極めて高いことが証明された。
チケット争奪戦の裏側:ファンが知るべき入手のコツ
転売対策とファンクラブ優遇の実態
今回のツアーでは、チケット転売対策として電子チケットの導入と本人確認が徹底された。一般発売では数分で完売する公演が続出したが、実はチケット入手にはいくつかのコツがある。
最も確実なのは、ファンクラブ「CLUB夜遊」への入会だ。年会費4,400円(税込)で、最速先行受付に参加できる。今回のツアーでは、ファンクラブ会員の当選率は約40%と、一般発売の10%未満と比較して格段に高かった。
また、プレリク先行(ローチケ)では、複数日程を第3希望まで申し込めるため、当選確率が上がる。平日公演や地方公演を狙うのも有効な戦略だ。
4日間で9,216人が体験した「冒険の始まり」
各公演で異なるセットリストとサプライズ
7月13日(日)、16日(水)、18日(金)、19日(土)の4日間にわたって行われた熊本公演は、それぞれ異なるセットリストや演出が用意されていた。
2日目の公演では地元の高校生合唱部とのコラボレーション、3日目には熊本出身のアーティストがゲスト出演するなど、各公演で特別な瞬間が生まれた。最終日の19日には、観客全員での大合唱が起こり、ikuraが感極まって涙を見せる場面も。
「熊本のみなさんの温かさに触れて、このツアーを始められて本当に良かったと思います」というAyaseの言葉に、会場からは惜しみない拍手が送られた。
ファンの声:SNSに溢れた感動のメッセージ
公演後、SNSには参加者からの感動的なメッセージが数多く投稿された。
「初めてのYOASOBIライブ、ホールの距離感が最高だった」「くまモンとのコラボは予想外すぎて笑った」「セトリが神すぎる」「熊本まで来て良かった」といった声が相次ぎ、#YOASOBI熊本 のハッシュタグは4日間トレンド入りを続けた。
特に印象的だったのは、「地方でもこんなに素晴らしいライブが見られるなんて」という声だ。大都市圏以外でのワンマン公演が少なかったYOASOBIにとって、このホールツアーは全国のファンに直接会いに行く貴重な機会となっている。
次なる地へ:全国を巡る「WANDARA」の冒険は続く
8月は石川、静岡へ
熊本での成功を受けて、ツアーは8月5日から石川県・本多の森 北電ホールへと続く。その後、静岡、新潟、三重、鳥取、和歌山、岩手、岡山、北海道(帯広・函館)、福島と続き、11月29日・30日の沖縄公演でフィナーレを迎える予定だ。
各地でも「WANPAKU MATSURI」が開催される予定で、地元の特産品や文化とYOASOBIのコラボレーションが期待されている。石川公演では加賀友禅をモチーフにした特別グッズ、静岡では富士山とのコラボビジュアルなど、各地域ならではの企画が準備されているという。
チケット争奪戦は今後も続く
すでに多くの公演がSOLD OUTとなっているが、追加公演の可能性もあるとのこと。6月28日から始まった一般発売では、わずか数分で完売する公演が続出し、チケット争奪戦の激しさを物語っている。
ファンクラブ「CLUB夜遊」では、会員限定の追加先行受付も予定されており、まだチケットを手に入れていないファンは要チェックだ。
YOASOBIが描く新たな音楽シーンの形
「小説×音楽」から「地域×音楽」へ
YOASOBIはこれまで「小説を音楽にする」という独自のコンセプトで音楽界に革命を起こしてきた。そして今回のホールツアーでは、「地域と音楽を繋ぐ」という新たな挑戦に踏み出している。
各地域の文化や特色を取り入れた演出、地元企業とのコラボレーション、街全体を巻き込んだイベント展開など、単なるライブツアーを超えた総合的なエンターテインメント体験を提供している。
世界へ羽ばたくYOASOBIの次なる展開
2023年には「アイドル」で世界的な成功を収め、2025年のMUSIC AWARDS JAPANでは「世界中で最もヒットした日本の楽曲」として表彰されたYOASOBI。今回の国内ホールツアーは、改めて日本のファンとの絆を深める機会となっている。
関係者によると、2026年には海外ツアーも計画されているという。アジア、北米、ヨーロッパと、YOASOBIの音楽が世界中に届けられる日も近い。
まとめ:「WANDARA」が示す音楽の新たな可能性
YOASOBIの初ホールツアー『WANDARA』は、単なるライブツアーではない。それは、アーティストとファン、そして地域が一体となって作り上げる新しいエンターテインメントの形だ。
熊本で始まったこの冒険の旅は、全国各地に感動と興奮を運びながら、11月の沖縄まで続いていく。各地で生まれる特別な瞬間、地域色豊かな演出、そして何より観客との距離の近さが生む一体感。これらすべてが、YOASOBIの新たな魅力として結実している。
「音楽には人と人を繋ぐ力がある」--このツアーは、その言葉を体現する素晴らしい冒険となることだろう。まだツアーは始まったばかり。これから訪れる各地で、どんな感動的な物語が生まれるのか。YOASOBIの「WANDARA」は、日本の音楽シーンに新たな1ページを刻み続けている。