11歳も標的!夏休み1ヶ月で900人被害の性的脅迫
「お子さんのスマホ、今誰とやり取りしているか把握していますか?」
この質問にドキッとした保護者の方は、今すぐこの記事を最後まで読んでほしい。なぜなら、あなたの子どもが今この瞬間も、性的脅迫「セクストーション」の標的になっている可能性があるからだ。
2025年夏休み開始からわずか1ヶ月。NPO法人への相談件数は900人を突破し、最年少被害者は11歳の小学5年生。もはや「うちの子は大丈夫」と言える家庭など、どこにも存在しない。
NPO法人「ぱっぷす」への相談件数によると、2025年度は6月末時点ですでに約900人からの相談が寄せられている。これは前年度同期と比較して急増しており、特に未成年者の被害が目立つ。最年少の被害者は小学5年生。まさに、どの家庭でも起こりうる身近な脅威となっている。
セクストーションとは何か?知らないと危険な新手の犯罪
セクストーション(Sextortion)とは、「Sex(性的)」と「Extortion(恐喝・脅迫)」を組み合わせた造語で、性的な画像や動画を使って相手を脅迫し、金銭や追加の性的画像を要求する犯罪行為を指す。
従来の性犯罪と異なり、加害者と被害者が直接会うことなく、すべてオンライン上で完結するのが特徴だ。そのため、被害者は「まさか自分が」という油断から、気づいた時には深刻な状況に陥っているケースが多い。
驚くべき被害者の内訳
年齢層 | 相談者の割合 | 特徴 |
---|---|---|
高校生 | 44% | 最も被害が多い層 |
中学生 | 7% | 増加傾向 |
小学生 | 報告あり | 最年少は小学5年生 |
大学生・社会人 | その他 | 男性被害者が多い |
特筆すべきは、総相談件数の68%が男性という点だ。「性犯罪の被害者は女性」という従来の固定観念を覆す実態が明らかになっている。
衝撃の被害実態!100万円以上の被害も
ケース1:小学生の自殺未遂事件
ある小学生は、SNSで知り合った相手に性的な画像を送ってしまった後、「学校にばらまく」と脅され、精神的に追い詰められて自殺未遂にまで至った。幸い一命は取り留めたものの、深刻な心の傷を負い、現在も治療を続けている。
ケース2:高校生男子の金銭被害
高校2年生の男子生徒は、SNSで知り合った「同年代の女性」とビデオ通話中、相手の求めに応じて裸を見せたところ、その様子を録画されていた。その後、「動画を学校や親にばらまく」と脅され、最終的に100万円以上を振り込んでしまった。
ケース3:中学生女子の連鎖被害
中学1年生の女子生徒は、「モデル事務所のスカウト」を名乗る人物から「オーディション用の写真」として水着姿の写真を要求された。送った後、さらに露出の多い写真を要求され、断ると「今までの写真を親に送る」と脅された。
巧妙化する犯罪の手口を徹底解説
セクストーション犯罪者の手口は年々巧妙化している。以下、代表的な手法を詳しく解説する。
1. なりすまし型
- 同年代の友人になりすます:プロフィール写真に魅力的な同年代の写真を使用し、共通の趣味や悩みを持っているかのように装う
- 芸能事務所スカウトになりすます:「君には才能がある」などと褒め、オーディション用の写真として性的な画像を要求
- ゲーム仲間になりすます:オンラインゲームで知り合い、「アイテムをあげる」などと誘導
2. 段階的要求型
最初は無害な要求から始まり、徐々にエスカレートしていく手法:
- 「顔写真を送って」(無害な要求)
- 「制服姿の写真を見たい」(やや踏み込んだ要求)
- 「水着の写真はある?」(性的な要素を含む要求)
- 「もっと見せて」(露骨な要求)
3. 恋愛感情利用型
時間をかけて信頼関係を築き、恋愛感情を抱かせてから性的な画像を要求する。「二人だけの秘密」「愛している証拠」などの言葉で心理的に追い込む。
4. 報酬提示型
「写真1枚で1万円」「動画なら5万円」など、金銭的な報酬を提示して誘惑する。特に経済的に困窮している若者がターゲットになりやすい。
なぜ日本の子どもが狙われるのか?世界ワースト1位の理由
ノートンの調査によると、セクストーション詐欺の標的になるリスク比率は、日本が0.91%で世界1位という衝撃的な結果が出ている。なぜ日本がこれほどまでに狙われるのか、その理由を分析する。
理由1:法整備の遅れ
欧米諸国と比較して、日本はオンライン上の性犯罪に対する法整備が遅れている。加害者が海外にいる場合の捜査協力体制も不十分で、犯罪者にとって「リスクの低い」ターゲットとなっている。
理由2:性教育の不足
日本の学校教育では、インターネット上の性的リスクについて十分な教育が行われていない。そのため、子どもたちは自分の身を守る知識を持たないまま、SNSを利用している。
理由3:「恥の文化」の悪用
日本特有の「恥の文化」を悪用し、「親にバレたら恥ずかしい」という心理を利用して脅迫する。被害者は誰にも相談できずに、要求に従ってしまうケースが多い。
理由4:言語の壁による孤立
英語圏で共有されている注意喚起情報が、日本語話者には届きにくい。結果として、最新の手口や対策情報を知らないまま被害に遭うケースが増えている。
今すぐできる!子どもを守る10の対策
【緊急】今日中に実行すべき3つのチェック
- スマホチェック(所要時間:5分)
- 子どものスマホを確認し、インストールされているアプリを把握
- 特に注意:TikTok、Instagram、Discord、Snapchat
- 見知らぬアプリがあれば即削除
- 会話チェック(所要時間:10分)
- 「最近、ネットで新しい友達できた?」と聞く
- 「変なメッセージ来てない?」と確認
- 責めない姿勢で優しく聞き出す
- 設定チェック(所要時間:15分)
- フィルタリング設定の確認と有効化
- プライバシー設定を最高レベルに変更
- 位置情報共有をオフに設定
セクストーション被害から子どもを守るために、保護者が今すぐ実践できる対策を紹介する。
1. フィルタリングの設定(最重要)
被害児童の約9割がフィルタリングを利用していなかったという統計がある。スマートフォンやタブレットには必ずフィルタリングを設定し、年齢に応じた制限をかける。
2. 家族のルール作り
- SNSの利用時間を決める(例:夜9時まで)
- 知らない人とは絶対にやり取りしない
- 個人情報(顔写真、学校名、住所)は送らない
- 困ったことがあったらすぐに相談する
3. オープンな対話環境の構築
「何があっても怒らないから相談して」という姿勢を示し、子どもが相談しやすい環境を作る。実際に相談された時は、決して子どもを責めず、一緒に解決策を考える。
4. デバイスの共有スペース設置
子どもがスマートフォンやパソコンを使う場所を、リビングなど家族の目が届く場所に限定する。個室での長時間利用は避ける。
5. アプリの利用状況確認
定期的に子どもが使っているアプリを確認し、危険なアプリがインストールされていないかチェックする。特に以下のようなアプリは要注意:
- 匿名でやり取りできるアプリ
- 位置情報を共有するアプリ
- ビデオ通話機能のあるアプリ
6. 性教育の実施
年齢に応じた性教育を家庭でも行う。「自分の体は自分だけのもの」「他人に見せたり触らせたりしてはいけない」ということを、幼い頃から教える。
7. 具体的な事例の共有
実際の被害事例を年齢に応じて共有し、「こういうことが起きる可能性がある」ということを理解させる。ただし、過度に恐怖心を煽らないよう配慮する。
8. プライバシー設定の確認
SNSのプライバシー設定を最も厳しいレベルに設定し、知らない人からのメッセージを受け取らないようにする。
9. 定期的な話し合い
月に1回程度、インターネットの利用状況について話し合う時間を設ける。新しい友達ができたか、変わったメッセージは来ていないかなど、さりげなく確認する。
10. 専門機関の連絡先を共有
警察や相談窓口の連絡先を、子どもがいつでも確認できる場所に掲示しておく。
もし被害に遭ってしまったら?緊急対処法
万が一、子どもがセクストーション被害に遭ってしまった場合の対処法を、段階別に詳しく解説する。
初期対応(発覚から24時間以内)
- 冷静に対応する:子どもを責めず、「あなたは悪くない」と伝える
- 証拠を保全する:やり取りのスクリーンショットを撮影し、保存する
- 要求には応じない:追加の画像送信や金銭の支払いは絶対に行わない
- アカウントをブロック:加害者のアカウントを即座にブロックする
専門機関への相談
警察への相談
最寄りの警察署のサイバー犯罪相談窓口に相談する。都道府県警察には専門の相談員がおり、適切なアドバイスを受けられる。
NPO法人への相談
- ぱっぷす:性的画像記録に関する相談を受け付けている
- セーファーインターネット協会:違法・有害情報の通報や相談が可能
法的措置の検討
被害が深刻な場合は、弁護士に相談して法的措置を検討する。民事での損害賠償請求や、刑事告訴などの選択肢がある。
心のケア
被害に遭った子どもは、深刻な心の傷を負っている可能性がある。以下の点に注意してケアを行う:
- 専門のカウンセラーやセラピストに相談する
- 学校のスクールカウンセラーと連携する
- 日常生活のリズムを保ち、安心感を与える
- 過度に腫れ物に触るような扱いはしない
学校・地域でできる予防対策
セクストーション被害を防ぐには、家庭だけでなく学校や地域全体での取り組みが不可欠だ。
学校での取り組み
- 情報モラル教育の充実:年間カリキュラムに組み込み、定期的に実施
- 専門家による講演会:警察官やNPO職員を招いた実践的な講演
- 相談窓口の設置:匿名で相談できる窓口を学校内に設置
- 教職員の研修:最新の手口や対処法について教職員が学ぶ
地域での取り組み
- 保護者向け勉強会の開催
- 地域ぐるみの見守り活動
- 情報共有ネットワークの構築
- 相談しやすい環境づくり
海外の先進事例から学ぶ
セクストーション対策で先行する海外の事例を参考に、日本でも導入可能な施策を検討する。
イギリスの事例
イギリスでは、学校での性教育カリキュラムにオンライン上の性的リスクについての項目が必須となっている。また、専門の相談員が24時間体制で対応する「CEOP(Child Exploitation and Online Protection)」という組織が設置されている。
オーストラリアの事例
オーストラリアでは、「ThinkUKnow」という教育プログラムを通じて、子ども、保護者、教育者それぞれに向けた包括的な教育を実施している。
アメリカの事例
FBIが専門チームを設置し、国際的な犯罪組織の摘発に力を入れている。また、被害者支援のための基金も設立されている。
最新の動向と今後の展望
2025年に入ってから、セクストーション犯罪はさらに巧妙化している。AIを使った音声合成技術により、実在の人物の声を偽装したり、ディープフェイク技術で偽の性的画像を作成したりする事例も報告されている。
新たな脅威
- AI悪用型:実在しない人物の画像や音声を使った詐欺
- 暗号資産要求型:追跡困難な暗号資産での支払いを要求
- グループ犯罪型:組織的に役割分担して犯行に及ぶ
対策の進化
これらの新たな脅威に対し、以下のような対策が検討されている:
- AI技術を使った不適切画像の自動検出システム
- ブロックチェーン技術を活用した証拠保全システム
- 国際的な捜査協力体制の強化
- 被害者支援のためのワンストップサービス
まとめ:今こそ行動を起こすとき
セクストーション被害は、もはや「他人事」ではない。2025年6月末時点で900人もの相談が寄せられ、小学5年生も被害に遭っているという現実を、すべての保護者、教育関係者は真摯に受け止める必要がある。
しかし、適切な知識と対策があれば、被害は防ぐことができる。大切なのは、子どもとの対話を大切にし、困った時に相談できる関係を築くことだ。そして、万が一被害に遭った場合も、適切な対処により被害を最小限に抑えることができる。
夏休みという長期休暇は、子どもたちがインターネットに触れる時間が増える時期だ。この記事で紹介した対策を、今すぐ実践してほしい。一人でも多くの子どもを被害から守るために、私たち大人が今、行動を起こす時だ。
相談窓口一覧
- 警察相談専用電話:#9110
- NPO法人ぱっぷす:050-3177-5432
- 法務省インターネット人権相談:0570-003-110
- セーファーインターネット協会:https://www.safe-line.jp/
子どもたちの安全なインターネット利用のために、この情報を必要としている人に共有していただければ幸いだ。