大谷翔平、3年連続4度目のMVPを満票で獲得

2025年11月13日(現地時間)、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、ナショナル・リーグの最優秀選手賞(MVP)を満票で受賞しました。これで大谷選手は3年連続4度目のMVP受賞となり、メジャーリーグ史上に新たな歴史を刻みました。

投票では全30人の記者が大谷選手に1位票を投じる完全満票での受賞となりました。今回の受賞により、大谷選手は2021年、2023年、2024年に続き、4度すべてのMVP受賞が満票という史上初の記録を樹立しました。

バリー・ボンズに次ぐ歴代2位の快挙

通算4度目のMVP受賞は、メジャーリーグ歴代最多762本塁打を放ったバリー・ボンズの7度に次ぐ歴代単独2位の記録です。また、3年連続でのMVP受賞は、2001年から2004年まで4年連続でMVPを獲得したボンズ以来、21年ぶり2人目の快挙となりました。

バリー・ボンズは1990年、1992年、1993年、そして2001年から2004年まで4年連続と、通算7回のMVPを受賞しています。大谷選手はまだ31歳という若さでこの偉業を達成しており、今後さらに記録を伸ばす可能性が十分にあります。

史上初の両リーグ複数回MVP受賞

大谷選手は2021年にアメリカン・リーグでMVPを受賞し、2023年からはドジャースに移籍してナショナル・リーグで3年連続受賞を果たしました。これにより、大谷選手は史上初めてナ・リーグ、ア・リーグの両リーグで複数回MVPに輝いた選手となりました。

この記録は、大谷選手が両リーグで高いレベルのプレーを維持していることを証明しており、メジャーリーグ史上でも類を見ない偉業です。リーグが変わっても圧倒的な成績を残し続ける大谷選手の適応力と実力の高さが改めて証明されました。

2025年シーズンの驚異的な成績

大谷選手は2025年シーズン、打率.282、自己最多55本塁打(リーグ2位)、146得点(リーグ1位)、OPS1.014(リーグ1位)という圧倒的な数字を残しました。特に55本塁打は自己ベストを更新する素晴らしい記録です。

さらに注目すべきは、大谷選手が6月16日のパドレス戦でマウンドに立ち、投手として復帰したことです。右肘の靱帯再建手術から復帰し、二刀流プレーを完全復活させました。投手としては14試合に登板し、1勝1敗、防御率2.87、62奪三振という成績を残しました。

WAR(勝利貢献度)は8.3を記録し、打者としても投手としてもチームに多大な貢献をしました。また、メジャー通算本塁打は280本に到達し、松井秀喜氏の持つ日本人メジャーリーガー最多本塁打記録(175本)を大きく更新しています。

ワールドシリーズ制覇との同時達成

大谷選手は2025年、ドジャースとともにワールドシリーズを制覇し、チームメイトの山本由伸投手がワールドシリーズMVPに選出されました。山本投手は2009年の松井秀喜以来、16年ぶり日本人2人目のワールドシリーズMVP獲得という快挙も成し遂げました。

ワールドシリーズ連覇とMVP受賞の同時達成は、メジャーリーグ史上でもごく少数の選手しか成し遂げていない偉業です。大谷選手はこの歴史的な瞬間に立ち会い、チームの中心選手としてその両方を実現しました。

満票MVP複数回受賞はメジャー史上初

大谷選手の最も特筆すべき記録の一つが、満票でのMVP受賞を複数回達成していることです。実は、満票でのMVP受賞を複数回果たした選手は、メジャーリーグ史上大谷選手ただ一人です。

2021年のア・リーグMVP、2023年と2024年、そして2025年のナ・リーグMVPすべてが満票での受賞となっており、4度すべてのMVP受賞が満票という前人未到の記録を打ち立てました。これは、各年の大谷選手の圧倒的なパフォーマンスが、全ての記者から最高評価を受けたことを意味しています。

大谷翔平のコメント

受賞発表の番組に出演した大谷選手は、真美子夫人、愛犬のデコピンと顔を寄せ合って喜びを分かち合いました。インタビューでは「非常に光栄ですし、ソト、シュワーバー選手も素晴らしい選手。競い合えたことがよかった」と謙虚にコメントしました。

大谷選手は常にライバルや同僚への敬意を忘れず、自身の功績よりもチームや他選手の貢献を称える姿勢を見せています。この謙虚さと人間性も、大谷選手が世界中で愛される理由の一つです。

二刀流という革命的プレースタイル

大谷選手のMVP受賞を語る上で欠かせないのが、投手と打者を両立する「二刀流」というプレースタイルです。現代のメジャーリーグでは、選手は投手か打者のどちらかに専念するのが一般的ですが、大谷選手はその常識を覆しました。

2025年シーズンは右肘手術からの復帰シーズンでしたが、6月に投手として復帰を果たし、打者としても自己最多55本塁打を記録しました。投打両方で高いレベルのパフォーマンスを維持することは、体力的にも技術的にも極めて困難ですが、大谷選手はそれを可能にしています。

二刀流プレーは野球界に革命をもたらし、多くの若い選手たちが大谷選手を目標に二刀流に挑戦するようになりました。大谷選手の存在が、野球の可能性を広げ、スポーツ界全体に新たな風を吹き込んでいます。

今後の展望とバリー・ボンズ超えの可能性

大谷選手はまだ31歳という若さで、通算4度のMVP受賞を達成しました。バリー・ボンズの7度という最多記録まであと3回です。大谷選手のこれまでの成績を考えると、この記録を更新する可能性は十分にあります。

アメリカのメディアでは、「ボンズが薬物を使用しなければいったい何度MVP受賞していただろうか」という議論も巻き起こっています。一方で「当時、ステロイドは禁止薬物じゃなかった」という意見もあり、両者の比較は複雑な側面もあります。

いずれにせよ、大谷選手がクリーンな状態でこれほどの成績を残し続けていることは疑いようがありません。今後も健康を維持し、高いレベルのプレーを続ければ、メジャーリーグ史上最多のMVP受賞記録を塗り替える日が来るかもしれません。

日本人選手としての誇り

大谷選手の活躍は、日本人選手がメジャーリーグで成功できることを証明し続けています。メジャー通算本塁打280本は、松井秀喜氏の175本を大きく上回り、日本人メジャーリーガーとして新たな基準を打ち立てました。

また、チームメイトの山本由伸投手がワールドシリーズMVPを獲得したことで、ドジャースには2人の日本人スター選手が在籍し、チームの中心として活躍しています。これは日本野球界にとって非常に誇らしいことであり、今後さらに多くの日本人選手がメジャーリーグで活躍する道を開いています。

まとめ:大谷翔平が築く新時代

大谷翔平選手の3年連続4度目、満票でのMVP受賞は、単なる個人の栄誉を超えた歴史的な出来事です。バリー・ボンズに次ぐ歴代2位の通算4度受賞、史上初の両リーグ複数回受賞、4度すべて満票という前人未到の記録は、大谷選手が現代野球界において別次元の存在であることを示しています。

二刀流という革新的なプレースタイルで野球の常識を覆し、右肘手術から復帰して自己最多55本塁打を記録した2025年シーズンは、大谷選手のキャリアの中でも最も輝かしい一年となりました。ワールドシリーズ制覇という夢も叶え、チームと個人の両方で最高の結果を残しました。

31歳という年齢を考えると、大谷選手のキャリアはまだ半ばです。今後さらにMVP受賞を重ね、バリー・ボンズの7度という最多記録を更新する可能性も十分にあります。大谷翔平という唯一無二の存在が、これからどのような歴史を作っていくのか、世界中が注目しています。

大谷選手の活躍は、日本だけでなく世界中の野球ファンに夢と希望を与え続けています。彼が築く新時代の野球を、私たちはリアルタイムで目撃しているのです。

投稿者 hana

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