日本初の女性首相・高市早苗が挑む2026年の政治課題
2026年1月、日本政治は新たな局面を迎えている。2025年10月21日に衆参両院の本会議で第104代首相に指名された高市早苗氏は、日本初の女性首相として歴史的な一歩を踏み出した。自民党と日本維新の会による連立政権のもと、高市政権は外国人政策の厳格化、日中関係の緊張、そして経済政策という三つの大きな課題に直面している。本記事では、2026年の高市政権が描く日本の未来像と、その政策が私たちの生活にどのような影響を与えるのかを徹底解説する。
高市早苗首相の外国人政策厳格化──2026年1月の基本方針策定へ
高市政権が最も力を入れている政策の一つが、外国人政策の厳格化である。2026年1月4日、首相官邸で外国人の受け入れに関する閣僚会議が開催され、高市首相は1月中にも基本的な方向性を取りまとめるよう指示を出した。この動きは、日本の移民政策における歴史的な転換点となる可能性がある。
永住権取得に日本語能力要件を導入
高市政権が打ち出した外国人政策改革の中でも特に注目されているのが、永住権取得における日本語能力要件の導入だ。2025年6月時点で約93万人に上る永住者は、在留外国人全体の20%を占める最大のカテゴリーとなっている。政府は永住権取得の要件に日本語能力を追加することで、日本社会への統合を促進する狙いがある。
日本経済新聞の報道によれば、政府は全ての在留資格について包括的な見直しを実施し、本来の在留資格以外の活動で滞在するケースを防ぐため、取得要件を厳格化する方針を固めた。これは単なる制度改正ではなく、日本の国家像そのものを問い直す政策転換と言える。
帰化要件の厳格化──居住期間「5年以上」の延長を検討
永住権だけでなく、帰化要件についても厳格化の動きが進んでいる。現行の国籍法では、帰化の要件として「引き続き5年以上日本に住所を有すること」が定められているが、政府は申請手続きの変更を通じて、この居住期間要件を事実上延長する案を検討している。
東洋経済オンラインの特集記事によれば、専門家委員会では「在留資格や帰化の要件厳格化」「未払い医療費と入管審査の連動」「不動産登記での国籍情報の把握」「所有者情報の一元化」などが議論される見込みだという。これらの施策は、外国人の権利制限につながる可能性があるとして、人権団体から強い懸念の声が上がっている。
2026年度予算に見る「高市色」──入管庁予算20%増
高市政権の外国人政策への本気度は、2026年度予算案にも如実に表れている。出入国在留管理庁の予算は前年度比20%増の987億円と過去最高額を記録し、そのうち不法滞在対策に132億円、入国管理強化に172億円が充てられる。この大幅な予算増は、外国人政策の厳格化が単なるスローガンではなく、実効性のある施策として推進されることを示している。
日中関係の深刻な悪化──台湾有事発言が引き起こした外交危機
高市政権のもう一つの大きな課題が、台湾有事をめぐる発言に端を発した日中関係の悪化である。2025年11月7日の衆議院予算委員会で、高市首相は台湾有事が「存立危機事態」になり得ると答弁し、中国の激しい反発を招いた。
「存立危機事態」発言の波紋
高市首相は予算委員会で「それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースである」と明言した。この発言について、元外交官や学者からは「事実上の宣戦布告」「対話が成り立たない」として答弁の撤回を求める声が上がった。
存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態を指す。高市首相の発言は、台湾をめぐる有事が日本の安全保障に直結するという認識を公式に表明したものであり、中国にとっては受け入れがたい「内政干渉」と映った。
中国の「経済的威圧」と軍事的けん制
高市発言を受けて、中国政府は日本への旅行自粛を呼びかけ、日本行き航空便の減便といった経済的威圧措置を実行に移した。さらに深刻なのは、中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射という軍事的けん制だ。元外務省条約局長の東郷和彦氏は「敵意の表明と受け取れる。中国の怒りがいかに深いか、一つの証左だ」と指摘している。
11月21日には、中国が国連安保理の場で「敵国条項」を根拠に、安保理の許可なしで軍事行動を起こす権利を持つと発言し、緊張がさらに高まった。この「敵国条項」は第二次世界大戦の敗戦国である日本を対象としたもので、すでに死文化していると考えられてきたが、中国がこれを持ち出したことは、日中関係の深刻さを物語っている。
2026年の日中関係改善は可能か
時事ドットコムの報道によれば、中国の習近平政権は2026年も対日強硬姿勢を維持する構えで、日本側が発言を撤回しない限り対話に応じない立場を崩していない。1月の財界訪中団受け入れも事実上拒否されており、経済交流の停滞も懸念される。
一方で、中国は2026年に再びAPEC議長国を務めることから、日本側は11月に広東省深セン市で開かれる首脳会議での会談を模索している。しかし、外交関係者の間では「それまでに中国側が冷静になっているか分からない」との見方が支配的だ。日本経済新聞の検証記事では、高市首相の台湾有事答弁について「調整不足で、中台・米中関係の変化を踏まえていなかった」と批判されている。
経済政策と「責任ある積極財政」──過去最大122兆円予算の中身
外交と並んで、高市政権の評価を左右するのが経済政策だ。高市首相は「責任ある積極財政」という方針を掲げ、財政拡張に前向きな姿勢を見せている。
2026年度予算案の特徴
2026年度予算案は過去最大規模の122兆円となり、物価高対策や所得税の課税が始まる「年収の壁」を178万円に引き上げることで国民民主党と合意した。さらに、2025年度補正予算は18兆円を超える規模となり、高市政権の積極財政姿勢が鮮明になっている。
この財政拡張路線は、昨年末の円安と長期金利の上昇を招いたが、高市首相は「日本列島を強く豊かにし、日本に希望を生み出す」という年頭所感で、経済対策の継続を約束した。
労働力不足と外国人労働者の役割
日本経済新聞の報道によれば、2027年度には労働力不足が43万人に達する見込みで、新たな「育成就労」制度によって外国人労働者でこれを補完する計画だ。これは、外国人政策の厳格化を進める一方で、経済成長のために外国人労働者を必要とするという、高市政権のジレンマを浮き彫りにしている。
衆院解散のタイミングを探る高市首相──2026年の政局展望
高市首相は、政権基盤を固めるための衆院解散・総選挙のタイミングを慎重に探っている。日本経済新聞の分析によれば、選択肢として以下の時期が考えられる。
春の解散──経済対策の効果が出る時期
第一の選択肢は、経済対策の効果が出てくる春先の解散だ。補正予算と本予算の効果が家計に実感されるタイミングを狙い、支持率の上昇を背景に選挙に臨む戦略である。
初夏の解散──重要法案成立後
通常国会で重要法案が成立した後の初夏も有力な選択肢だ。外国人政策の関連法案など、高市政権の目玉政策を実現した実績をアピールできるタイミングとなる。
秋の解散──内閣改造・党役員人事後
内閣改造と党役員人事を実施して新体制を整えた秋も選択肢に入る。ただし、11月にはAPEC首脳会議があり、日中首脳会談の成否が選挙戦略に大きく影響する可能性がある。
見送りシナリオ──任期満了まで
もちろん、解散を見送り、任期満了まで政権運営に専念する選択肢もある。しかし、nippon.comの分析によれば、高市首相は自身の政策を実現するための安定的な政権基盤を確保したいと考えており、早期の解散に踏み切る可能性が高いとされる。
高市政権への賛否両論──保守層からの批判も
高市政権に対しては、保守層からも批判の声が上がっている。プレジデントオンラインに掲載された記事では、「高市早苗が保守を裏切って進める『民族置換』の衝撃シナリオ」として、外国人政策の厳格化が不十分であると批判されている。一方で、人権団体や移民支援組織は「排外主義」として反対声明を発表しており、高市政権は左右両方から批判を浴びる難しい立場に置かれている。
国民の生活への影響──外国人政策が変える日常
高市政権の外国人政策厳格化は、私たちの日常生活にも大きな影響を与える可能性がある。外国人労働者に依存する飲食業、建設業、介護業などの現場では、人材確保がさらに困難になる懸念がある。一方で、日本語能力を持つ外国人の増加は、地域コミュニティでのコミュニケーション円滑化につながる期待もある。
不動産市場でも変化が予想される。外国人による不動産取得時の国籍情報把握が進めば、安全保障上の懸念がある地域での外国資本による土地買収に一定の歯止めがかかる可能性がある。ただし、これが外国人投資家の日本離れを招くリスクも指摘されている。
医療分野への波及効果
未払い医療費と入管審査の連動という政策は、医療機関の経営にも影響を与える。外国人患者の未払い医療費は年間数十億円規模と言われており、特に救急医療を担う公立病院の財政を圧迫してきた。入管審査との連動により、未払いリスクが減少すれば、医療機関の経営改善につながる可能性がある。
しかし、人道的観点からは懸念の声もある。緊急医療が必要な外国人が、未払い履歴を理由に治療を受けられなくなる事態は避けなければならない。政府は人道的配慮と財政規律のバランスをどう取るのか、具体的な制度設計が注目される。
2026年、高市政権が描く日本の未来
2026年の高市早苗政権は、外国人政策の厳格化、日中関係の修復、経済成長の維持という三つの課題に同時に取り組まなければならない。外国人政策では、日本語能力要件の導入や帰化要件の厳格化により、「選ばれる国」としての日本の姿を明確にしようとしている。一方で、労働力不足を外国人労働者で補わざるを得ない経済の現実もある。
日中関係では、台湾有事をめぐる発言が外交危機を招き、軍事的緊張まで高まっている。習近平政権の対日強硬姿勢が続く中、高市首相がどのように関係改善の糸口を見出すかが、2026年の日本外交最大の焦点となる。
経済政策では、過去最大規模の予算による積極財政で成長を目指すが、財政規律との両立が課題だ。そして、これらの政策を推進するための政権基盤強化として、衆院解散のタイミングを慎重に見計らっている。
高市首相は年頭所感で「変化をおそれず、必要な改革を断行していきたい」と述べた。日本初の女性首相として歴史に名を刻む高市早苗氏が、2026年にどのような日本の未来を切り開くのか、私たち国民一人一人が注視し、議論に参加していく必要がある。
国際社会における高市政権の評価
高市政権の外交方針は、国際社会からも注目を集めている。台湾有事に関する明確な立場表明は、アメリカをはじめとする西側諸国からは評価される一方で、中国との関係悪化というコストを伴っている。日本経済新聞の分析によれば、アメリカは高市首相の台湾有事発言を事前に把握していなかったとされ、日米同盟の調整不足が指摘されている。
外国人政策の厳格化については、欧州諸国が直面する移民問題への対応として、日本独自の アプローチとして国際的な関心を集めている。日本語能力要件の導入は、移民の社会統合を重視する政策として、一定の理解を得られる可能性がある一方で、人権団体からの批判も予想される。高市政権がどのようにこれらの国際的な批判に対応し、日本の立場を説明していくかが問われている。
