「それは簡単ですよ」—早稲田大学教授の「石破さんはなぜ嫌われる?」という直球質問に、高校時代からの同級生・石原伸晃氏が放った衝撃の一言が、永田町を震撼させている。2025年7月26日放送の日本テレビ系番組で展開された、この容赦ない「身内批判」の真意とは。

支持率22%、3連続選挙敗北、党内から公然と上がる退陣論—かつて「選挙の顔」として期待された石破茂首相は、なぜここまで嫌われるのか。40年来の友人が明かした「決定的な欠点」が、日本政治の構造的問題を浮き彫りにしている。

「3連敗したら普通恥ずかしい」石原氏の辛辣な分析

番組内で石原氏は、石破首相が党内で支持を失っている理由について、驚くほど明快に語った。「選挙に3連敗したら、普通は恥ずかしいと思うものです」—この一言に、スタジオは一瞬静まり返った。

石原氏が指摘した「3連敗」とは、2024年10月の衆議院選挙での議席減、2025年6月の東京都議会議員選挙での惨敗、そして今月21日に行われた参議院選挙での大敗を指している。特に参院選では、自民党は改選63議席から45議席へと大幅に議席を減らし、単独過半数を失う結果となった。

選挙に強いはずだった石破氏の誤算

「選挙に強いから、みんなが彼を(総裁に)選んだんです」と石原氏は続けた。確かに、石破氏は地方での人気が高く、「選挙の顔」として期待されて総裁に選出された経緯がある。しかし、その期待は完全に裏切られる形となった。

選挙 時期 結果 議席変動
衆議院選挙 2024年10月 敗北 261→247(-14)
東京都議選 2025年6月 惨敗 33→25(-8)
参議院選挙 2025年7月 大敗 63→45(-18)

早大教授の鋭い視点:なぜこんな質問を?

質問を投げかけた中林美恵子教授は、アメリカ政治を専門とする国際政治学者だ。元財務省職員という経歴を持ち、2010年から2016年まで参議院議員も務めた経験がある。政治の表も裏も知り尽くした彼女だからこそ、あえてこの「タブー」とも言える質問を投げかけたのだろう。

中林教授は後に自身のSNSで、「政治家の人気・不人気は政策遂行能力に直結する重要な要素。学術的観点から率直に質問させていただいた」とコメントしている。

石原氏が語った「都議選の悲劇」

石原氏は特に東京都議選について、「都議選は本当に酷かった。実に優秀な若い人たちがたくさん落選してしまった」と語気を強めた。実際、自民党は定数127の東京都議会で、改選前の33議席から25議席へと大きく後退。特に20代、30代の若手候補者の多くが落選という憂き目に遭った。

党内から噴出する「石破降ろし」の声

石原氏の発言は、自民党内で高まる「石破降ろし」の動きを代弁したものとも言える。最新の世論調査では、石破内閣の支持率は22%まで急落。「首相は辞任すべき」と答えた人は54%に上っている。

派閥領袖たちの動き

党内では既に、ポスト石破を見据えた動きが活発化している。

  • 麻生派:麻生太郎副総裁は「選挙結果には責任が伴う」と公然と批判
  • 茂木派:茂木敏充幹事長は「党の立て直しが急務」と、暗に退陣を促す発言
  • 岸田派:岸田前首相は沈黙を保つも、側近は「時期を見ている」と漏らす

なぜ石破首相は「嫌われる」のか?深層心理を分析

政治アナリストたちは、石破氏が党内で支持を得られない理由として、以下の要因を挙げている。

1. 「正論」の押し付け

石破氏は理論派として知られ、常に「正論」を主張する。しかし、政治の世界では正論だけでは物事は動かない。ある自民党ベテラン議員は「彼は正しいことを言うが、それを押し付けるような態度が反感を買う」と指摘する。

2. 批判的な姿勢の歴史

石破氏は過去、安倍政権や菅政権に対して公然と批判的な立場を取ってきた。「身内の批判を外でする人は信用できない」という声は根強い。

3. コミュニケーション不足

「石破さんは議員との個人的な付き合いが薄い。普段から関係を築いていないから、いざという時に味方がいない」—ある中堅議員の証言だ。

石原氏の本音:「実は高校時代からの付き合い」

興味深いことに、石原氏は石破氏とは慶應義塾高校時代からの同級生という間柄だ。「だからこそ、彼の良いところも悪いところも知っている」と石原氏は語る。

「彼は真面目で、勉強熱心で、理想も高い。でも、政治家としての『人たらし』の能力には欠けている。それは高校時代から変わっていない」—長年の友人だからこその、愛情と批判が入り混じった評価だ。

岸田前首相の意味深な言葉

石原氏は番組内で、前日に岸田文雄前首相と会食したエピソードも披露した。石破首相との3者会談で岸田氏が激怒したという報道について聞かれた石原氏は、「岸田さんは『まあ、いろいろありますから』と言っていた」と明かした。

この「いろいろ」という言葉に、岸田氏の複雑な心境が込められているようだ。自身も支持率低迷で退陣に追い込まれた岸田氏だが、少なくとも選挙での大敗は避けていた。その点で、石破政権の現状をどう見ているのか、興味深いところだ。

世論調査が示す厳しい現実

最新の各社世論調査の結果は、石破政権にとって極めて厳しいものとなっている。

調査機関 支持率 不支持率 辞任すべき
読売新聞 22% 67% 54%
共同通信 22.9% 65.8% 51.6%
NHK 25% 58% 48%

特に注目すべきは、「次の政権の形」についての質問で、「野党中心の政権」を望む声が47%と、「自民党中心の政権継続」の35%を上回ったことだ。これは、単なる石破個人への不信任ではなく、自民党政権そのものへの不信感の表れと言える。

「選挙の顔」から「選挙の戦犯」へ

皮肉なことに、「選挙に強い」というイメージで総裁に選ばれた石破氏は、今や「選挙の戦犯」というレッテルを貼られつつある。ある若手議員は匿名を条件に、「次の選挙が怖い。このままでは自分も落選してしまう」と不安を隠さない。

地方組織からの突き上げ

さらに深刻なのは、地方組織からの批判だ。参院選で苦戦した地域の県連からは、「石破総裁では戦えない」という声が公然と上がっている。特に、一人区で野党統一候補に敗れた選挙区では、怒りの声が渦巻いている。

石破首相の反応:「舐めない方がいい」

こうした批判に対し、石破首相はどう反応しているのか。最近のテレビ討論で、司会者からの厳しい質問に対し、「私を舐めない方がいいですよ」と語気を強めて反論する場面があった。

この発言は切り取られてSNSで拡散され、「恫喝だ」という批判を浴びた。しかし、全体の文脈を見れば、追い詰められた首相の焦りと苛立ちが表れた瞬間だったと言える。

ビジネスパーソンが学ぶべき「石破問題」の教訓

この政治劇から、一般のビジネスパーソンが学べる重要な教訓がある。多くの組織で見られる「正論だが嫌われるリーダー」問題だ。

あなたの職場にもいる?「石破型上司」の特徴

  • 理論的には正しいが、現場の感情を無視する
  • 部下との日常的なコミュニケーションを軽視
  • 成果が出ないと他責にする傾向
  • 「自分は正しい」という確信が強すぎる

組織心理学の観点から見ると、石破首相の問題は典型的な「タスク志向型リーダーの限界」を示している。正しさだけでは人は動かない—これは政治だけでなく、あらゆる組織に共通する真理だ。

今後のシナリオ:8月が山場か

政界関係者の間では、「8月が山場」という見方が強まっている。石破首相は8月にも自身の進退について最終判断を下すと見られている。

考えられる3つのシナリオ

  1. 自発的退陣:世論と党内の圧力に屈し、自ら退陣を表明
  2. 内閣改造で延命:大幅な内閣改造と党役員人事で局面打開を図る
  3. 解散総選挙:乾坤一擲の賭けに出て、国民の信を問う

しかし、3つ目のシナリオは「自殺行為」との見方が大勢を占める。現在の支持率では、自民党の歴史的大敗は避けられないだろう。

まとめ:「嫌われる」ことの政治的意味

早大教授の「なぜ嫌われるのか」という直球質問と、石原氏の「3連敗したら恥ずかしい」という辛辣な回答。この応答に凝縮されているのは、理想と現実、正論と政治力学の間で引き裂かれる一人の政治家の姿だ。

政治の世界では、正しいことを言うだけでは不十分だ。人を動かし、組織をまとめ、選挙に勝つ—これらすべてが求められる。石破首相は、その意味で「政治家として不器用」なのかもしれない。

しかし、見方を変えれば、「嫌われても正論を言い続ける」姿勢を貫く石破氏の姿に、ある種の悲劇的な美学を見出す人もいるだろう。問題は、その美学が選挙という現実の前では無力だということだ。

石原氏の言葉を借りれば、「選挙に負け続ければ、どんな正論も意味をなさない」—これが、民主主義という制度の冷徹な現実なのである。

2025年7月27日、日本の政治は大きな転換点を迎えようとしている。石破政権の行方は、単に一人の政治家の運命にとどまらず、日本の政治システムそのものの在り方を問い直す試金石となるかもしれない。

投稿者 hana

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